この脇田大佐の生まれ変わりかな?って自分のことを、推量するのは、母が隠したこともあるんだ。中二ぐらいまで。戦争に関与した軍人であったことを全部隠していたんだ。父も、母が怖くって、言えないとこはあったんだ。母は、気にいらないと、親戚でもぶん殴っていたんだ。ある法事のとき、みんなの頭を、ひとり、ひとり、お盆で、叩いてね、追い出したんだ。みんな、親類の男達、泣きながら、ぶっそうな世の中になったものだって、矢上神社にお参りして帰ったんだ。その中には、満蒙開拓軍の元記者もいてねえ。母の中で、確実にあの大戦は終わっていないってこと、それを、彷彿とさせる事件だった。なぜ?自分の父である脇田大佐のことをキャロに隠したのか、ようやく、話してくれたのは、中三くらいかなあ。生きては帰れない、そういう戦争だったって、吐露したんだ。生きて帰っていたなら、もしかしたら、戦犯裁判にかけられていたかも。だから、帰れなかったって。いやあ、キャロ、聞いているうちに、脇田大佐になっていたんだ。そうまで、娘を苦しめていたとは、すまなかった・・・。おかしいよね。キャロ、そして、その時に、脇田大佐がこう思ったのも知っているんだ。この娘の不幸は、決して無にはしないって。娘ってのは、母だよね・・・、キャロ間違いなく、生まれ代わりなんだね、今書いてて、改めて思うんだ~