
人は歯が無くなるとそもそも、観念する。どんなに年老いてよぼよぼになっても、這ってでも、歯医者に行き頼み込むだろう。どうか、食べられるように、治療をして下さいと。入れ歯もありがたい…と。僕も歯にはかなり拘っている。しかし、幼い日、母から厳しく歯を磨くよう、教育された思い出は皆無だ。替わりに父親が厳しくて、萎えた。父は5分掛けて磨きなさいと、それを死守するよう側で見ながら諭した。父の教えは生きた。僕は乳歯をほぼ虫歯で失うのに、永久歯では素晴らしい歯に変貌を遂げていた。生活資金、生活基本、生活リズム、これらを父に鍛えて頂き今の僕はある。