人形の家を書きながら気づく…

 うちこそが、人形やったんや。しかも、符合の赤い帯にぐるぐる巻にされた姫や。みんなが、老婆と思うとんのは、見間違い。姫様やった…と自覚する。ゴリラでは毛頭ない。矢上神社のお稚児(ちご)さんで輝く着物を着せてもらい、年長さんのとき出た。晴れがましい矢上神社での秋の日やった…頭には王冠を被り、サイコー気分は捨てがたく、王冠もずっと取りたくなく、逃げ回っとったんや。61年前の明日の話や。