ヨッキちゃんが、暫く入院していた時に仲良くなった看護婦さんと結婚して、家を出たせいで階下は急に静かになったことは話しておきましょう。鼻筋の通った和風美人でささやかな結婚式を挙げることを周囲は薦めたものの、本人は首を縦には振らない。先立つものがない…を理由に断り容子はちょうどその女性が家を訪問して来たときに会うことが出来て、余りの美貌に驚いていたようです。頭が良い上に気立ても良い。化粧も薄い口紅だけで清楚。どうして、ヨッキちゃんが選ばれたの?とは質問が来ない。私は安堵しました。容子は結婚式なんかに拘らないヨッキちゃんの無頼派の性質を理解出来ていたのか、地味婚を讃えていました。入院して、心まで磨いてもらったのね?って感心していたのです。ふわふわした考えでは全くない彼は車のセールスの仕事で正社員を射止めていたのです。