エメラルド・ウーマン4

 当時の男子はほぼ戦争へと駆り出され、復員出来た男子も、まだ暫くは呆然としながら日々を過ごします。生き残れたことは、嬉しい…など、口が裂けても言えない。弟はすぐ、教師として、復帰はするけど、どうやって、子供たちに、日本の現状を伝えるべきかは、まだ未知だったことは言えます。私も、学制改革で幼稚園教諭から小学校教諭に上がり、弟も中学教諭に上がります。散々な結果に終わった敗戦の検証など一介の人間たちが語れる訳がない。そういう当時の重苦しい状況はありはしても、対生徒になれば、すんなりと応答可能な時もあり、私は男子と、女子はそもそも、敗戦の捉え方自体は違うだろうと両者を観察していたのです。