アクアマリン・マン153

 みんなが知りたいのは本当に死後の世界があるのか?ということだろう。僕も生前それは思った。しかし、現実には存在はしないとそう思っていた。今かなりの数の人々が死後の世界はない・・・とそう結論つけていることだろう。死んでも魂があるとどうしても人間は思いたい。生きている時にはなかった感情が今僕を包み込む。ああすれば良かったとか、もっと伴侶とおしゃべりして心の隙間を埋め合えば良かったとか、反省もしきり。しかしどうあがいてももはや二人は出会えない。ただ、スペースをこうして設けてくれた伴侶に感謝をする。僕の家計簿やそして電卓、日記帳、そして定規、ころころ初代の製品、それらを全部捨てずに保管してくれている。世の中はさも捨てればよいみたいな風潮があって現に僕がその傾向にあった。大事なものは捨てないがもう用済みになったものはさっさと捨てる習慣にある方が人生リーズナブルだと、そういう自分が今は間違っていたことも言える。何でもかんでも保管している伴侶の心の隅には、何が大事か分からないから全部いっそのこと保管していよう・・・という安全志向があるのだろう。それは決して間違ってはいない。家計簿も喜んでいるだろう。そういう大事なものの存在を伴侶が自身の企画として頭にいれ込むこと、それがすこぶる可能になったことが進歩である。