サファイア・マン《面白い男編》〔184〕伯母のように気の強い人物は見たことがない!!としながら、その伯母が一目置いていたのが、ようちゃんの母の恐るべき思考力。何に付けても母の前に出ることは叶わない!!って伯母は付箋を付けながら、しかし容子ちゃんがいることで、不思議と発言力が自分達に備わって来ると、伯母は血気盛んな武士のようにのたまうので、ようちゃんもバツが悪くなってしまうのです。伯母はようちゃんとは、中学二年生まで同じ家で生活しています。お互いの思う処はわかっていたと見る方が自然で、伯母が再婚して嫁ぐ時には、ようちゃんに、まか不思議な感情が芽生えていたことは嘘偽りがないっていう疑問符。自立出来ている伯母がなぜ、結婚しなければいけなかったが、皆目見当もつかず、ようちゃんもはたと考え込んでしまったのです。しかし、タヤへの愛着や、光男への憐憫の情を知った時に、再婚に至った動機が少し開示されたかも?と思うのです。しかし二十年の間、伯母の伴侶が亡くなるまで、ようちゃんにも真相はわからず仕舞いだったのです。収入のある生活力のある女子が結婚に向かう時の、事情。世間体だったのかもなあ?って。タヤを安心させたい願望もあっただろう。そこを思うと、伯母だけではなく、全部の女子達が同時に抱えるプレッシャーだということも今は解って来るのです。