ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔225〕この年のようちゃんの行動力にはびっくりで、精力的っていう表現がピッタリで、実は親友のことをもっと思ってあげないといけなかったなあって後悔しているんです。彼女はようちゃんの楽曲でヤマハコンテストなどに出場したりを願っていたのです。しかしようちゃんの態度は正しく、ここに心あらずで、美味しいものを食べて可愛い間借りのマンションを見てそっちの方向にすでに飛び火していてその画策に追われていたのです。厳しい父の網の目がようちゃんを放っておくはずもなく、家に帰らずこのマンションで棲む場合、余計な心配を家族に掛けてしまう危惧を感じ取っていたのです。友人の紹介で入りたいんですど~って病院を訪ねると、いいですよ~~と気持ちいい返事は返って来て、ようちゃんはルンルンになる。しかし肝心のお金がない、いいですよ、月末までに準備してもらえれば?って親切なその対応に乗っかって、しかし肝心な父への対策を怠ってしまい、後から自分の中で問答は始ります。友達の家に泊まるなんてのも父には通用しない。名案が中々浮かばないまま、ようちゃんは向かいのスナック、マックスロードで面接を受けて務めてしまうのです。