ねえ?あのターニングベルトの交換わ~無駄やったね?って次女が言ってくる。車を運転しない人間には恐れ入る。以前なら相当走ってたから必要だったってのもわかるけど、別に急いでしないでも良かったね?って。俺は地獄でお昼のランチが始まったベルを聞いたかの錯覚に見舞われる。自分が車を運転しないからって、十万キロ走行の時点でターニングベルトを替えるってのは国民の三大義務以上の常識だ。しかしこの母娘は我が家にとっての異端児で、母は娘という手鏡で自分を見て、娘は母という三面鏡でこの世を見ている。母は堂々とまだ迷彩柄のパンツを穿いている。スラックスを買うお金がなくて、次男に俺から頼めば良かったとしみじみ思う。ニューバランスの靴より先に無地のスラックスだった。今日はこのコーナーで任されていた、英語になった日本語だが、優先順位!!スペルはUSENJUNEIだ。みだしなみが女性の質を向上させると俺は信じて疑わない。しかもこの迷彩柄のパンツの破れた部位には安全ピンがふたつ留められているという。それが今は一個しかない。デルスカイしておこう、安全ピンなら、ばあばの落し物だ!!