イエローダイヤ・マン《標榜編》〔357〕今日の対戦がほぼ優勝の行方を決めるといってもいいだろうし、カイクルとカーショー…どう見てもカーショーが上だと思ってしまうが、カイクルには翁としての貫録がある。落ち着いているようにいつも見えて、その激しい内奥を余り見たこともなくて、時折我々に見せてくれるのはたっぷりと蓄えた処の顎髭を触って確かめている様子なのである。カイクルが神童タイプだとすれば、カーショーは烈火タイプで、両者は火と水のように異なる。俺の予想だが、今日はカイクルがカーショーに屈するのでは?と見ている。カーショーは生まれた年が優勝した年なのだ。前田も同じだが、西暦1988年からこのチームにはワールドでの優勝が来ていない。カーショーには特別な思い、制覇したいという思いが強固で、西暦1988年以来の優勝を引き寄せるのは俺!!と自分に喝を入れていることだろう。どんなにあがいても勝つときは勝つし、負けるときは負ける。この優勝の杯が又美しいのだ。まるで、野球の女神が奏でるハープを連想させる。俺はこの両チームが最後までもつれ込んで闘うことを願っている。