イエローダイヤ・マン《標榜編》〔285〕俺はとうとうビフテキコンボを購入しその雄雄しいパッケージをクルマの中で抱き抱える。とうとう俺もクルマをレンタルして搭乗を始めたのだ。二週レンタルで五千円。保険代を入れていろいろ込みで七千円になったが、俺がここに棲む間に行っておきたい場所があることが判明してそれに及んだ。写真だ・・・。沢山の写真群を俺は疎かにして来たのでは?と改めて写真の大事さに及ぶ・・・。この現場を撮らないままここを去ったとしたら俺はかなりの失望に巻き込まれるし、きっと将来の家族からも言われることだろう。ここでの映像は?って。そうすると俺たちはその場その場を生きてきたというそれのみでは全く評価されない人類であることを胆に銘じるしそこを思うと未来にもヤンヤン言われている自分が末恐ろしくもなるのだ。俺はわざとステーキ用のタレの封を開けず海沿いで停車して食った。このステーキ用のタレの封を切ったらおしまい・・・そう祈念していたからだ。ほっともっとの場合こういったタレの方が美味しくて、それを掛けないでまずは賞味してみることが第一義。これは・・・・と俺は固唾を飲み込めない。肉が喉に充満していたからだった。