ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔194〕足が遅いことで、運動会はそう楽しみではなく、それでも胸のリボンが欲しくて、相当にきばった記憶があるのです。一位赤、二位黄色、三位緑、四位青・・・せめて青でもいいから欲しいな!って。PTAの方々がゴール付近にいて、四位までの生徒にこのリボンを安全ピンで付けてあげて当時はわからなかったものの面白いプレーだったな!って思うのです。今の世代はどうでしょう。チビという言葉ですら差別用語になってしまいおちおちモノも言えません。やがて一位から三位までのリボンになって四位青は消えるんですが時代はあのピストルの音さえ消去してしまったようで、運動会がスキではなかった少女キャロルがこうして憂えるくらいに静かな運動会です。少しだけ、応援合戦の音は聞こえて、それは昼食後のことでしたがなんか安心したのです。勉強が出来なくともスポーツだけで来た子供達もいたのです。その日だけは鼻でキャロルをあしらって来るのです。そういったスポーツ万能タイプの男の子や女の子をキャロルは芯から羨ましいと思います。自分には全く与えられることがなかった才能だからです。この寂しさを埋めるものも必要で、キャロルは黄色のリボンをやがてこの四年生で貰います。この時は確か障害物競走だったんですが黄色いリボンは自分にとっては勲章みたいなものだ!と暫くは魅入ってしまったほどなんです。