イエローダイヤ・マン《標榜編》〔203〕精神的に優れるということの意味が俺自体解せなかった。何をして優良なこころとか、感性とか承認断定されるのか?やっと最近わかってきたくらいで、優良な感性とはざっくばらんで正直な気持ちを総称しているのでは?と。今しがただった。ルクロイのことを解説者がこう言っていたのだ。レンジャーズのルクロイだが今日は休んでいた。盛んに自分の防具を修理していてそのルクロイのことを38歳くらいだと思ってましたって。実際は俺と一緒の三十二歳。つまり六歳も老けて観られていた。ベテランだからというのともうひとつ。風貌の長い髭もあるだろう。しかし六歳も若く観られるのではなく六歳年上に観られたことを知ったらルクロイは喜ぶだろうと俺は推測するし、なぜなら男には年上に観られたい気持ちも根強くあるからだ。若いアンチャンには観られたくはない、そういった円熟志向がいつもどこかにあって、特にサラリーマンだ。俺も二十五歳以下に見られることはあって、そんな時は、嬉しい素振りはするものの、落ち込んでしまう。滅入ってしまうのだ。俺たちニッポン人は戦後七十年という苦節を経験してベテランの域に入ってきたとそう思う。槍や銛など必要とはしない文化人の風体でありたい。・と・は徒労を選べ!!迷いなく・・・だ。