サファイア・マン《かけがいのない男編》〔117〕いつものように帰宅したシゲルちゃんがポケットから紙を取り出して、それは棄てといて!っていってきます。なんだろう・・・と思い興味が出て訊くと、銀行から川柳を出すように言われていたっていうんです。標語ですよね。そういうのを目にしたことがあって、なんで投票しないの?って訊くと若者が出すだろうから俺はいいって。そこで残念に思い、せっかくの企画だから出そうよ!締め切りは?って尋ねるとまだ時間的に余裕はあるみたい・・。銀行と標語。よく警察でも標語募集はあって、キャロルはどういったものなんだろう・・・って思いを馳せます。まだそれについてを調べてみたことがなく575なんだろうか、それとも自由?って。考えていくうちにも面白くて頭の体操にもなる!って時間を掛けて考察して応募するのもいいな!って当たりをつけるんですがシゲルちゃんは全く気に掛けません。その頃のキャロルは毎日その日のご飯のおかずをどうするか?酒のツマミに心を砕く日々で、標語が入ってきたことで、異次元に送り込まれているみたいでウキウキしたものです。結果、ださい句しか出来ません。自分には何かが欠けていたな・・って今になってわかるのがユーモア精神で、いつも同じことで悩んでいたせいが随分後年になって浮き彫りになるのです。