サファイア・マン《面白い男編》〔104〕こっちは戦車に乗っているように苦悩しているのに電車に乗って天神イワタヤにお買い物?・・・えええ?って思いません?キャロルが置いてきた二人の子供達です。その子供達はなぜ置いてきているか?っていうと新婚時代を彼に味合わせたかったからです。新鮮な気持ちで大橋で人生のスタートを切りたかったからです。それなのに彼はキャロルのこころの襞にあるものに気が付かないどころか全然駒を進めようともしない。キャロルは国民健康保険料を支払わないといけないし、会社に届けないということは家族手当も出ないんです。小さなことはどうでもいいのでしょうか、それを父に言っても無駄でした。なぜなら父は連れ子をして銀行員の妻になれたことが幸運でそういったワガママはおかしいとまで言って長崎に帰ったのです。父の気持ちも半分はわかります。しかしキャロルのお腹にはすでに彼との第二子がいたのです。なんということでしょう。自分の誕生日に授かっているのです。幸せを彼に言いたい気持ちも躊躇に変わっていきそうで・・・。彼はこの妊娠をきっと喜ばない。その悲しい推量がまさか的中するなどまだ自分自身気は付いていないのです。