ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔145〕自分の体を柔らかくして柔軟性を培うということと並行にキャロルは隣の男子が、家に帰っても始終友達と一緒に外で遊んでいることを聞き出します。普段の運動量です。どうも自分が家と学校の往復であったことが気になるのです。運動量を多く取り入れることで、人生がいかに違うかというとやはり体力の基本を小学校時代に作っていたからこそ!という思い今になって特に感じています。友達の家に遊びに行くといっても危険も伴いますが、キャロルは物怖じしない自分の人格形成にも一理あるなどと当時思ってはいません。ただノンフィクションライターの線はこの頃から開眼あったので、それぞれの家にそれぞれの家計と家風と家食があることに興味深い定点を見ていたのは事実で、どんなに待っても貧乏の家にステーキは出てはこない。こんな決定打的な見方を穿ってでもいいから、誰か出してくれたらいいものをキャロは自分で発掘するしかなくて、それは母が、ニンニクとピーマンを食卓に中々出さない。今思えば母には食生活に偏狭姿勢があったのです。もちろん鶏肉も滅多にありません。キャロルはこういった志向や嗜好が母親譲りとして子供に現われることを前提に、それはある程度宿的な運命でもあると自分を取り成していた部位も否めないのです。