ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔132〕気になっていたことは雨の日のことで、急に雨が降り出したときなど、父兄が傘を持ってきたついでに教室に入ってきたり、そのまま合図して帰っていく父兄もあって、様々な光景が見られました。傘を忘れたのではなく急に傘が必要になったという状況でキャロルにはそこで母のこころが透視出来たのです。タヤが雨に降られて、濡れてしまっては風邪をひくやもしれぬ、自分が傘を持っていってあげようか?と母を急く、それは母を不愉快にさせるヒトコマだったということです。キャロルはまず傘が雨が降って必要になったという行で、自分も傘は必要なのか?とまず思いますが、別に少しくらい濡れても構わないことに気が付く。しかし自分は家が学校から近い、だからなのか?と考え方を組み直します。すると人生ではみんながそれぞれ設定が違うという概念に気が付き、それと同時に、母が急かされ、不愉快になった原因も浮かんでくるのです。外の様子で、ああしたら?こうしたら?って言われるのはちょっと過激だということで、キャロルはなるほどなあって思うんです。やがて母はやって来ます。タヤから先を越されるのもいかがなものか?しぶしぶ来たのがすぐにもわかる表情、しかし嬉しい自分に気が付くのです。自分も他の子供たちのように親から愛されている、それを計らずもみんなの前にさらしたこと・・・。満足だったのです。