この現世という娑婆でシゲルちゃんとの離婚は難しい。奴は死んでもハンコを押さないからだ。そうするとどんな方法で奴から離脱出来るかというと転勤や別居しかないだろう。転勤といっても金がないから移住そのものが難しいとくる。何もかもシゲルちゃんさい配の西方丸に乗るキャロの姿を父親は喜ぶだろう。この娘は帆がない、つまり難波し易い。シゲルちゃん船長のもとに居ることがどんなに幸せなのか?父からの伝言を紐解けばそういう答えだと想像する。結婚論の中で遠藤先生は男のこころの中に渦巻くジェラシーについて及んでおられた。結婚前の恋のことなど何も喋らないほうがいいのか?それとも話してしまった方がお互いの為にいいのか。遠藤先生のお考えは前者だった。キャロはこれだけ、家族や家庭が複雑になった昨今では、お互いが自分をクリアにしていた方が子供も安全だとそう捉える方だ。相手に自分の子供のシグナルの兆候や異変を知らせるカギ。こういったものを話さないまま同居などとんでもないことだ。縁あってお互いがなさぬ仲の子供達を育てるケースーは多い。子供にとっては多難の時代だが、これらをハングリー精神で鍛えるなどと勘違いしてはいけない。ハングリー精神とは、あっても食べずにいられる質素性なのだ。勘違いはよろしくない。