ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔120〕キャロル六歳の一月七日和田家ではやはり七草粥の準備で忙しかったでしょう。今のように便利ではなく、七草粥パックなんて無かったを記憶。もちろん農家ではありませんがタヤが畑を耕す老人でしたから七草を全部揃えることが可能だったかもしれない。ブツブツ交換を家の軒先でやってた。母親のミチ子はそれを毛嫌い。挨拶もせずスーパーに出掛けて七草のうちの四草でも揃えればマイッカ?って。53年前のニッポンを想像してみてください。東京オリンピックが二年後ですからいかに活気があったかがわかるでしょう。キャロルが四月から一年生ということで母の表情には楽勝の2文字が見え隠れしています。娘の語彙力なら誰にも負けない自信が母にはあって、それを培うのが勉学だと母は半分思っています。あの事件で思い知った部位は半分あって大きかった。たとえ、どんなに語彙力が勝っていても人様に傷を付けるようではいけない・・・子供のこころが元来持つ優しさ、思いやりを育むことは肝心。それにしても母のこころをほぼ奪っていた弟の可愛らしさ、愛らしさですよね。黙っていても娘が育つのはわかっていたかのようにお手伝いを弟の世話を、母はキャロルの日課として義務付けます。信じられないような高級ベビーベッド、太い糸で編み上げられた揺れるスイング効果あるその仕様に今さらながら息を呑みます。