いじめに負けない人生論は今朝父を例に取ろう。自分の従弟が、ささっと出世してすぐに校長になったときに途方もない軋轢が父に掛かったけれど、どうだろ、従弟は六十代になったすぐに亡くなる。父は彼より三十二年も長生きして何を学んだのか?そこを極めると、出世しなかった者にも神が相応のプレゼントをしていることに気が付かされるのだ、いわゆるタイムイズサクセス。思いもしなかった従弟の死に直面して父は妬んだことを後悔したし、妹の精霊船を先頭に立って、海に分け入り弔ってくれた従弟・・・。その恩を忘れるはずはない。現在は焼却するが、昔は東望の浜海水浴場に船を流していたのだ。出世が出来ないと他者のせいにする前に自分の奇特に気が付こう。神はあなたに膨大なものを付与している可能性が大きい。父がそうだったからだ。本の修理をする、山崎さんという人にもう一度会いたがっていた。県立図書館に行く前は、好文堂におられたそうだ。本をいたわり、本のソムリエのように蘇らせる仕事に就いていたそう・・・。父は今も黄泉の国で新聞を手にしている。キャロルから言わせれば新聞ほど信じるに値しないものはない。父は新聞をいつも持ち上げていた。その態度がキャロルの目に焼きついて離れない。キャロルの方がより新聞を知っていたが生きている間、それを父に話すことはなかった。