俺の家庭生活教科書ガイドでは三月はブライダル!!この五文字の放つ快挙そして、達成感。確かにみんなに祝福されて末永き伴侶ともこの先の人生を誓う・・・そういった儀式をキャロルに与えてやれなかった俺の不甲斐なさ。これは本当に自分が悔やまれるのだ。最初ちょっとした勘違いが生じ、銀行の上司は矢上神社の横が実家だから、そこの神主の娘だと思ったっていうのもある。ちょうどキャロルの父がお坊さんの修業を始めてその話とごっちゃになってしまい説明不足になってしまった。銀行にとって、家や土地、財産というのは重要な決め手になるし、なぜそういう良家の子女を、いくら出戻りとはいえ、君の扱いはぞんざいだよ?と叱られたのに俺は自分の思い通りを突き進んでしまった。結婚式もなし、結納もなし、そして新婚旅行も・・・。指輪も嫌だった。俺の高校生活が男子がほとんどで、下駄を履いていた位のバンカラ。しかも俺は学校から帰ると兄貴と一緒に親戚経営の自動車修理店で働き自分の飯代を稼ぐ。つまり硬派だった。ロンゲとか指輪もナンパに入ったし、なよなよした奴が大嫌い。キャロルからダイヤの指輪をおねだりされ断わるとあいつは天神イワタヤで購入、俺に見せびらかした。いいでしょ?指輪くらい欲しいがねんって。このときが発端で、あいつはどんどん家庭での強さをかかあ天下道を驀進。何かねだられたら解決しておかないと大変な事態に発展するのだ。