サファイア・マン《緻密な男編》〔3〕緻密で聡明で頭の切れる男程、面白い人と区分けされて、喜ぶというメカニックを学び、キャロルは、どちらが勝っても自分が勝利出来るという図案を考え出します。いろいろ考察すると面白いだけではダメだし、緻密のみでも頭でっかち、それならどうすれば?となりますよね?若い時代から、こつこつと物を書いてきたという平常心と共に、自分は何か突拍子もないものを、大スクープを狙える位置にいるのでは?という観点に立っていたのです。理恵はこうアドバイスして来ました。ナンバーワンの女性っていうのは、まず、どうあるべきか?それを痛感したのよね~って。何それ??とキャロルは即座に答えます。理恵こそがキャロルの生の情報源。彼女の指南があってのキャロルの毎月上位入賞だったのです。ナンバーワンに不可欠なことは複数の新聞購読だそうですよ?そっか~キャロルは自分が全く読まないことを伏せてその次に大事なことは?一日置きは、顧客に連絡すること。えええ?そんなに頻繁に??キャロルはふたりの幼児を保育園に預ける身です。そういうチョコマカしたことは実際出来ません。それにしても理恵・・・なんという博識なのだろうか・・・。キャロルはほとんどの退店後を理恵と過ごします。彼女は三つキャロルより年下ニッポン美人、穏やかで、しかも耳年増地獄耳〔みみどしまじごくみみ〕には正直参ってしまって・・・。この水商売でピアノを弾いて、壇上から見ていたあの諫早駅馬車の時代とは確かに違うというその水域。理恵は、なんとはなしに、キャロルの手首にあるほくろのような直径2ミリの部位を指して次のようにのたまうのです。