サファイア・マン《緻密な男編》〔44〕江島さんはどういうわけか、キャロルをいつも呼んでくれて、もともとナンバーワン和光さんの顧客だったのをキャロルがいつも割り込む形を取っていた。しかし江島さんが呼んでもキャロルがテーブルに行けないときもあって、そういうときは超一流のテーブル。店のオーナーががっつり組んでいるときです。江島さんはオーナーにもさんざんキャロルのことを宣伝しますが、オーナーのベッピン鑑定はいつも揺るがない。本当に顔立ちを重視する志向だったことで、江島さんの感想はいつも除外される。キャロルは進化を深化にして彼のこころの奥底に潜みつつ聞き耳を立てるのです。女性の本当の魅力は恥じらいにあると僕は思うんです。キャロルはしまった・・・と思うし焦ります。自分の中には恥じらいの欠片もないことを見透かされているのでは??でもそのあとに嬉しいお言葉を頂戴します。部屋から部屋へ恥ずかしい格好で行ったり来たり等、僕の見込んだあゆみちゃんにはきっと、絶対にない・・・。何だか笑気麻酔を一気に吸い込んだような陶酔が襲います。ニッポン女性はこれから世界に打って出る、そのときに問われるのが、こころの作法ではないだろうかと?で、ですよね~と答えつつ敵こそ只者ではないぞとキャロルは戦くのでした。