サファイア・マン《緻密な男編》〔97〕何もたもた歩いてるの?ここはスーパーなのよ!どいてくれない?女性でした。その声でハッと我に返ったのです。シゲルちゃんのことで悩み一喜一憂するよりももっと大切なこと・・・日常を闊達に過ごすことをすっかり忘れてお疲れお悩みモードになっていた・・・もう悩むことはよそう!一ヶ月か二ヶ月中には会社に報告してくれるに違いない!って。ナンバーワンだった店の先輩に電話します。懐かしさが込み上げてきてキャロは泣きそうになるのです。あなた、宇部興産の人と再婚したの?ええ?まさか・・・。キャロはなぜかその時彼女からそう言われる。なんでか運命の法則がここにも絡んできます。彼女には今の結婚相手がバンカーだとはまだ話してはいなかった、それなのになぜ??そう・・・シゲルちゃんは初支店長で宇部に四年後に赴任することなどまだ、わかっていない。彼女にも同じ触覚があると見てもいいでしょう。ある程度の未来予知を視野内に入れている人物は会話に敏捷で言葉豊富です。キャロルなど足元にも及ばない語彙連用術を常に持っていて想像力も優れる彼女は相手に、連想や類推を起こさせるアンテナを持っていた。ナナさんもそうでしたが、こういった業界にいたことがキャロルを吉に持って行ったのですね♪