ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔244〕教室のみんながざわついています。こんなざわつき方は四年生の教室でもすでに体験していて、クラスの男の子の誰かが百握りだ!!と皆がその男の子を褒めたり冷やかしたりしているのです。ようちゃんにはまだ、その時、その生徒達が何を言いたいのかはっきり分かってはいません。感情線が真横にくっきり走っていてしかもそこから頭脳線が出ていることですが、当時は全く知らずにいたのです。百握りではない生徒は全員、くそ握りと呼ばれているようで、ようちゃんは田舎の小学校の風景にしては出来過ぎていまいか?って、確率にも波及するような生徒達のもの言いに耳を澄ませて、じっと聞き入っていたのを覚えているのです。百握りが希少価値があるっていうことは段々解ってきます。それはそういう手相の人が少ないからということも。でもその時、ようちゃんはうっすらと未来を予想するのです。自分のごくごく近くにこの手相の子供が将来生まれるのでは??という突飛な想像です。まさかねって自分に畳みかけて、そんなの無理だわって。偶然にしても現れるなんて通常は不可能って。しかし今、ようちゃんのすぐ近い場所にこの手相の男の子が生まれて、毎日その可愛い手の平を拝んでいるのです。しっかりしているのは左手の直線。おばあちゃんになって、こういう遭遇することが、グランド世代の奇跡のジンクスかもしれません。