サファイア・マン《かけがいのない男編》〔184〕伯母は結婚式を容子さんに挙げて欲しかったからそのお金だと思えばどうってことないわね?とそう発言したかと思うと次のように暴言したりで、中々本性がつかめなかった。容子さんのお母さんも一杯貯蓄しているはず、何で、伯母の私が半分出す羽目になったか?そこがやっぱり割り切れないわ~って。女性はこういう二面性を持っているのは重々承知ではあったんですが、特に伯母の場合、いついつまでも、ねちねちとようちゃんを苦しめて来る習性があったので、これは?!と思って素早い対応に出るのです。伯母ちゃんが、ここまでしてくれたことに感謝して、この執筆生活に於ける重点を和田家に置くことにするから、どんどん伯母ちゃんの思う処を注文してくれてもいいのよ!!って。ようちゃんもここで、伯母に融資を引かれては、負債を完済出来ないというジレンマがあって、それは旦那だけに負わせるには大金過ぎて、伯母の意見をなるべく拝聴することにするのです。伯母はタヤに拘っていたのです。タヤとその夫である光男の苦難の人生を是非、クローズアップして欲しいって。タヤが生きている存命中に最も多く発言したことは、四十代になって無一文になったという行。ここを作家として出来るだけ鮮明にして欲しいということ、そして不遇だった、旗職人の光男の生涯を描いて欲しい......って。