ブラックオニキス・マン

 母が自分の楽曲は流さないように変化したのは、親父の発言が糸を引く。これは僕の勘だが、僕の親父は結構金にうるさかった。欲しがりません、勝つまではの精神力が赤ちゃんの時代からある戦中生まれだ。ある日…笛を吹きながらの祭り楽隊がうちの前を通過したときだ。母がガーデンに出てうっとりしながら鼓笛に耳を澄ます…すると親父は家にさっさと戻るよう、母を指図した。母には何のことか?意味は不明だ。父は何と言ったか?彼には先見の明があったとしか思えない。あまり、うっとりしながら聞いちゃいかん…金を取られるぞ!バンカーの性(さが)だろうか?それとも、ただ、がめついだけ?いまだに真相は藪の中だ。