デニム・ブルーママン10の8

 一階にピアノを設置することで、否が応でも階下の人々との交流は活発になるでしょう。それは避けたい現象だった。それでも、あえて、下のあの板張りの部屋を選ばざるを得ないのは、ピアノの重量が起因です。アップライトの漆黒を選ぶ。カワイかヤマハでとことん迷います。どちらも良い。どういう決め方を当時のお母さん方はしていたのでしょう。私はそれぞれの鍵盤を抑えて音を確かめる動作に出ました。容子はピアニストを目指してはいない。作曲の方がメーンですが、基本はやはり、鍵盤音感教育だったのです。