デニム・ブルー・サファイアママン8の7

 階下のちょうど玄関を上がったすぐの板張りの部屋はこじんまりして、夫のすぐ上の姉は、オシャレな応接3点セットを買い込み、私に、こう持ち掛けてくるのです。ずっとオルガンで弾かせるの?良かったら、この洋間にピアノを買ってあげたら?って…。私はこの話は思ってもみなかったことだけに惹かれるのです。妹が容子ちゃんの演奏を近くで見たい、聞きたいって、催促してくるとよね?って。一度は諦めたピアノ購入が振り出しに戻り、それを伝えると容子も、大層喜ぶ…。アップライトで漆黒が私の脳裏にはすでにエントリーしていたのです。