デニム・ブルー・サファイアママン8の9

 曰く付きの板張りの洋室。玄関上がって衝立の向こうにある部屋。幅の狭い手すり付のお縁が3メートルあり、昔、ヨッキちゃんが2歳の頃、そこから道に落ちたことを聞き私も不憫に思ったことでした。石段を回るように登り玄関がある。まだ幼いというのに、タヤは裁縫ばかりに身が入り、彼に怪我をさせていたことを思うと、じんわり来るものがあった…。彼には両親との生活の記憶がないのです。長女の家は子沢山でタヤは娘の茨城の家を訪ねた際、ヨッキちゃんを連れて帰っていたのです。