中々死んでしまえば声が届かない。僕は試しに肺活量を絞り出して声を出す。奴が仏壇に参って炬燵に戻った直後。特に示したいものがそこにはあった。僕は新タブレッドの文字版が入ったその紙袋の後ろから声を振り絞る。う、うううううって。容子は気が付きどうしたの??何か伝えたいの?って。解っているじゃないか!?って僕は喜び勇む。この文字版をタブレットの傍に置き使って欲しい。なぜ、アマゾンの著者略歴のコーナーを更新しないんだ??って。相手は答える。分かっているけど中々テザリングがもどかしくて後手後手になってる・・・それにあたしが以前更新していた時とは携帯番号が違うからきっとムズいだろうなって。アマゾンの場合二段階認証でしょ?新アカウントも獲らないといけない。一度失敗すると後が余計難儀。息子が帰郷してからでも遅くはない、その方が無難だなって。僕は、容子の言うことにも一理あるなって納得をする。これまで何回そういう場面があっただろう。他のサイト企業でも容子は肝心のものをメモし忘れ出入り禁止になっている。最初設定したらその通りに進めないと怪しい人物にすり替わる。IDやパスワードなど重要なものをいかに管理するか?容子は全く分かってない。時間を置き、つどつどそういう精査は入る。本人確認は今や重要な分野でそれがハッカーたちに対する唯一の手立てになる。僕はしかし容子に用事がある時、こうして物品の前で示唆する手法が通じることを今回発見した。嬉しい進展だ。