ルビー・ウーマン《黎明編》〔73〕とうとう元海軍一等兵曹の容子の父が亡くなりました。そうか、苦渋の人生だったように見えるが、彼こそが、やりたいことはすべてやったし、戦争の本質を見ていたのではないのか?と俺は思う。そうですね、現場に一度も行かなかった社長がアマちゃんなように、そこに行きもせず、まずもって戦争を語るなどありえない、それに最も戦争に加担した新聞が戦争を語るなどありえないと僕は思います。手厳しいな脇田大佐は・・・。僕はあの戦争で本当の自分に戻ったんだとそう思います、死ぬことでやっとわかった・・・。どういうことかね?ニッポンの未来の選択は二者択一などではなくセカイ中の人々と親交を持たないといけないということです。特に中国なんだね?もちろんそうです、アジアの国々、そしてロシア、中東、南アメリカ、アフリカ、すべての国との親交を促進するには今のニッポンのメディアの力ではとても勝負出来ないものと・・・。俺は反対意見だ、メディアは容子に謝罪をするとそう予想するし、この恥ずかしいシカトの歴史を封印ではなく翻すと俺は思う。期待を熱くするのは良いことです、しかし認識というものは一朝一夕には築かれないもの、そして練習ですよね?ああ、コンビニ研修生になった容子だって、コンビニについて提言したりと語ることは多くあったが、実際にはコンビニの床の塵さえ知らなかった・・・。練習に一ヶ月掛かるようにこのニッポンのメディアをまともにするのに最低五年は掛かります。そうかね、確かに一朝一夕に艦長になどなれないのと同じ理屈が働くのもわかりはするがね。