アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔34〕物作りにいそしむ人々のことを僕は改めて尊敬の眼差しで見つめる。特に自然を相手に物作りにいそしむ人々に立ちはだかるのが自然の猛威。幾ら補助金は出るといってもそういうことばかりでは肝心の物作りの醸成自体、壁にぶつかる。世代交代の難しさを思い知るのだが、こればっかりは農業なら農業を継がせたい親の意見と子供の希望の合致も難しく、かなりの未来を日本は覚悟しておかねばなるまい。どういった生産現場に於いても掛かってくるのは人件費とリスクで、これがコンビニ業とよく似ている。ローソンは早めにそれから脱退して若者や自由人志向の人々に学ばせて、経営を任せようとの店長講座を開始した。いい兆候だと俺は見ている。自分のテリトリーを奇麗さっぱり他に預けられる店長制にいる同級生を俺は知っている。やはり人物家だ。オーナーの親友っていうか遠縁にあたる。店長の給料で正社員扱いで、もう長い間、店長を任されて成功している例だ。そんじょそこらにいないこういった人物家が身内にいたから佳かったし、今も盤石に推移しているが余りの負担をしょい込む前に、このオーナーが店長を指名した点がずば抜けていたと俺は評価する。店長になってくれ!!って言われて正社員扱いなら中々断らない現代若者である。