アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔32〕むしろ若者の間に安倍総理への続投を望む層は多いことを知って俺は愕然とする。若者のほぼ全員ではなくとも、安倍続投が何を意味するのかほとんどその余波を知らないままでなんとなく、ただなんとなく、安倍総理を推挙している声が俺にとっては危険なシグナルに見えてならない。こういう風潮を作ったのはしかし、政治家たちで、俺達の関与は全くない。好い政治の中身とはいかなる装丁のもとにあるべきかなど、普通の若者は考えない。思慮深い若者で政治に興味を持って日常を深い洞察のもと生きる者たちなら少しは理解出来るだろう。その強い指名意識の中にいる限り安倍総理は果敢に政治力を奮うことは出来ないし、そこをわかっている若干の有志は進むべき方向性のもとにみずからの政治生命を賭けて挑むという形だろうか。気の遠くなるようなあと三年もの間、安倍イズムに翻弄されるわけにはいかない。俺自身が決起したのだ。どんなに小さい決起であろうが信念は動かない。俺達の国の理念を形成する大事な一大潮流が訪れるという時に、彼のままでいることの不安は、槍が降っても変わらない。その危険性は俺があれこれ指南するものではなく、皆が自分資力でもうそろそろ気が付いてもいい按配ではないかと思ってしまう。