サファイア・マン《面白い男編》〔190〕奇跡的に難産の末、生まれてきた次女を見るたびに私はこう思う癖がついたいたのです。あんな奇跡的なことは後生起こらない。安全を念頭に次は帝王切開を選ぶべき!!と。二男の時にその暗示を死守し、今度は三男でもそれを生かすべき!!と。心の中ではそれに向かってまい進していたんですが、医師の考え方にもある部位、納得出来たゆえに波紋は起こっていたのです。出産が恐怖になってしまっているというトラウマで医師は、ことの他、冷静に話してくれたのです。貴女が思っている不安も解りますが帝王切開だって全く安全とは言えないでしょう。もう一回よく考えて答えを出して下さい!!私はせっかちに結論だけを出したかったのかもしれません。三十四歳から三十五歳になったようちゃんは人生を焦っていたのです。早く文学で名を上げたい!!って。音楽も並行してやって来たことがダブリューの焦りになって、正直思う処は、投稿生活で、それのみに頭が行っていたと言っても過言ではありません。お腹の子供が無事に生まれて身ふたつになったら、私は連日新聞投稿にチャレンジする積りでいたのです。ひとまず短歌にテリトリーを絞って日常詠を中心に葉書で投稿する計画でいたのです。私がどんなに小さな存在だったか、今の千分の一にも満たない存在数値なのですが、若さとは冒涜でした。