サファイア・マン《かけがいのない男編》〔180〕人生の分岐点ともいえる重大な出来事がようちゃん家族を襲います。それは幼稚園に入園した二人の子供の遠足の日。ようちゃんは自転車の後ろの荷台に次女乗せて、二男を前に乗せ、カメラ屋さんで買い物をするのです。二人の初の遠足の日のシャッターを押す為にはフィルムが必要でそれを買うことを前日すっかり忘れてしまっていたのです。振り返ると二人は自転車ごと倒れているのです。原因は前に座っていた二男がハンドルを動かしたことでそれはすぐにわかったのですが、なんていうミステーク犯してしまったんだろうって救急車の中で胸はつんざく思いで一杯になるのです。済生会病院に到着してすぐにレントゲン検査してもらい結果、骨には異常は見つからなかったんですが、予後を万全にするために数日間入院することになるのです。シゲルちゃんに電話するとすぐに来てくれます。何度も謝るのですが、それでは済まないくらいに自分の中で、疑惑の渦が何層にも起って来るのです。子供の命に関わることはなかったとはいえ、この事件をキッカケにようちゃんは周囲と自分の相関関係の構図に慎重になるのです。ちょっとした心の隙に忍び寄った事故は日頃の気持ちの散漫さが招いたと言えるのではないのか??と。