ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔224〕短大時代の同期のようちゃんの友人はアルバイトでしたが、その彼女は地場ホテルの正社員に就職していて、英語もペラペラ。遣る瀬無い違和感も生じて、彼女とはすぐ別れて、私とギターを爪弾く親友が入ったのがカプチーノという喫茶店でした。おしゃれで、友好的で、空間に若者の匂いが満載でこの喫茶店に一緒に入ったことが幸福の鳥を放ったみたいに打ち解けるのです。ねえ、なぜ、私達は、お互いが合うのかなあ、馬が合うって言う言葉がピッタリ!!しかもこの辺の界隈は、長崎の平和町、平野町、そして浜口町が一挙に揃い踏みで情緒があったのです。目覚町や銭座町まではまだ歩数は要しましたが、浜口界隈に来れば生鮮類も事欠かず、銭湯もあってしかも喫茶店やスナックが白押し。ビストロ平山や明月堂喫茶店などいつも付き合ってくれてようちゃんの心も和むのです。しかし肝心のお金に関して二人とも無頓着で、彼女もお嬢様で育った口。音楽への夢を捨てていない自分を持て余す所か、そこに一瞬の音シェアーを刺激し合っている点で分かり易かった。誰にも認められていない若者が二人。彼女に挫折が忍び寄っていたなど到底思えませんでした。