サファイア・マン《面白い男編》〔171〕ミセス・シンデレラをゲットした積りが、この結婚に付きまとう嫌な感じ...。再び家族となって家に共生する彼の日常は前と別段変りなく、その三ケ月、追い出された間がどんなに大変だったかを話すのです。オリエントホテルの領収が一か月十五万。そしてサウナの方が領収書までは見ていませんが、ホテルの半額くらいだったと。しかしそこで財布を盗られる事件に遭った話を聞いて、ずっとホテルにいた方が良かったかもね?って。すると彼はようちゃんのその言い方が無責任過ぎて、サラリーマンの妻の心得を全然わかってないんだね?と言いたそうな顔を一瞬します。しかしそれより前まで出て来ません。ドアチェーンの恐ろしさを心底体験したからでしょう。あれが掛かっていれば鍵は全く役に立たない!!今度転勤した時に、家族全員を銀行の社会保険証に入れる積りだよ!!と話してくれるのです。今の今、そうして欲しいようちゃんの気持ちとは乖離していました。しかし三年で普通は転勤というサイクルが、四年になって、ようちゃんの屋台骨は、待つことに慣れた宿命天使のようにどこか神的になっていったのです。ここまでの大きな気持ちでいることが福を呼ぶ?彼の上司から遂に電話を頂くのです。