イエローダイヤ・マン《標榜編》〔329〕この一件をしたためること自体頭が重くなる。昨夜ほっともっとで起こったことは企業の有り方をそのまま命題にしてあると思うからこそ、したためるのだが、肝心の俺が何も動けなかったことがくやしい。なんで人はそこに居合わせたというだけでこれだけ無口になってしまうのだろう。その男性は二人の幼児を連れて俺が入った時にはすでにボックスに座っていた。三人分しか椅子が無く周囲に気遣い、男の子を膝に乗せて、小学校低学年くらいの娘を横に座らせていた。昨夜店内には二十人はいただろうか。俺の順番は39番でその人物は31番だった。34番、35番と呼ばれるうちにもその男性は何かがあったことを察知し店頭に詰め寄る。俺の番号がどうなっているかを調べて下さい!!って。子供たちも待つこと自体に疲れて弁当の難に巻き込まれている感じ。俺は傍観者で見ているしかなく、しかし、事の一部始終は見えていた。なぜなら俺が入店した時、まだ、20番台を呼んでいたからだ。何が原因かはわからないがこの男性の注文紙が漏れていたようで、今から作ります!という声がした。俺よりもその男性が弁当を貰えるのが遅くて参ってしまう。しかし俺は受け取って帰るしかなく、辛かった。どうすれば一番ベストだった??今もわからないのだ。