サファイア・マン《面白い男編》〔146〕どこのスーパーに通っても人生は同じ?そんなことはありません。もしもシゲルちゃんなら個別商品ごとに安値を見極めそれに応じた動きをしたでしょう。ひとつの商品に幾つもの値があって、野菜ならあそこが一番安い!!とか御惣菜ならあそこが!!という得品があったはず。しかしキャロルはそういう値札では動かなかったのです。裕福でそれを看過したわけでもなく、貧乏で強行したのです。その日の気分に任せていたのです。幾つも選択肢のある生活を誰もが自然体と呼ぶかもしれません。しかしキャロルがこの期に及んでも探していたのは自分が何をやるべきか?の恐ろしい闘争だったという目論みでアジャストの造語をみんなに紹介しておきましょう。アジャスイです。自分に邪推を掛けてまでとことん人生での調整を図っていくことで、とても隷属的なことを指しているのです。ここまで疑心暗鬼にさせたのはそれぞれの人生に与えられた使命と同様に、トップカテゴリーが必ずある!とそう踏んでいたからです。間違った方向に動き出せば自分が徒労に陥り生産能力を駆使出来ないとそう思ったのです。誰もが三十一歳くらいで迷いに迷うのです。これをサーティーワン現象と呼称し定義付けしておきましょう。