サファイア・マン《緻密な男編》〔127〕四月になってすぐ退院したキャロルは新しい秩序を自分に取り入れます。彼と直球勝負で来た自分をめちゃくちゃな投球でもいい、フォアボールでも塁に出して走らせてみよう!!との概念で構築する。そして彼は家に帰ったキャロルがまだ開腹手術をしたばかりだからゆっくりしなさい・・・などという優しい声掛けはしてきません。まともな食事をそろそろ食べたいな!って存分ワガママを言ってくるのです。母は諦めていました。旦那の性分がわかったことと、相当に疲労が来ていた。そこでは母への配慮も必要で落ち込んだりはしないでね!って母を勇気付け、専業主婦が大変なのはわかっていたから・・・って付け加え、まだ開腹手術から十日くらいでも自分ひとりで買い物へ繰り出すのです。子供たちも春休みで家にいます。それもあり1人の方が楽だった。子供たちとの折衝や母との会話も結構疲れるし、今夜は何をこしらえる?と迷います。とりま、お刺身でも購入して彼の気分を最高にしてやらないといけません。夫の稼ぎをあてにして結婚したからにはそういう業務が第一に求められていて、スヤスヤと眠る生まれたばかりのみどり児は・・・自分の誕生日に授かったそのことが気持ちをダイナミックにしていくのです。そして長男の入学式を母の最後の仕事にしてもらおう!と。