サファイア・マン《面白い男編》〔121〕もしもここに人工知能搭載の男女がキャロルとシゲルちゃんに成り代わってその部屋で人生を過ごしたらどうなるでしょう。彼らは案外スムースにいくかもしれないし、驚愕のシナリオを叩き出すかもしれなくて、シゲルちゃんとキャロルには当然符合する欠点を持て余していました。二人とも優柔不断なのです。彼が生活内面での優柔不断とすればキャロルにあるのは性善説から来るユルキャラ。結果的に誰も責めずに済む方法を結局練り上げてしまいというお粗末さで、シゲルちゃんに裏腹制があるようにキャロルにも弱腰の裏にある豪放磊落な部位は隠れていて舞台を見えにくくしていたのです。仕事では素早い判断でリード出来る彼がこの家庭では優柔不断をせざるをえない背景・・・。そしてキャロルも同位でした。物事を判断するときに甘過ぎる割に、相当の鋭敏が脳裏に隠れていたのです。一個師団と家庭を命名しキャロルは自分が三十二歳になる夏まで彼を見ていよう・・・と時間の設定を作るのです。大きな愛でした。彼が三月出産に向けて全然準備しないという様相が概に見えてきたから許容を温存したのです。時間網で彼と言う魚をもう一回獲ることが求められている・・・と。