サファイア・マン《緻密な男編》〔120〕都市伝説は恐らくこの辺からプロローグに入ったことはいえていて、キャロルは結婚の小さなっの中に封じ込まれてしまった口。様々な軋轢や不満をしばし反故にして、このけっこんの小さなっの中に雁字搦めになってしまった我が身を誰も助けてはくれない・・・と弱気にならず、まずは母のお手並み拝見をこの目にしよう!!と張り切っていたのです。もしも母が来てくれれば彼も少しは良心の呵責というものに敏感になって、おのずと事務手続きに掛かってくれるであろう・・・と。しかし彼がそんじょそこらではない感性を持っていることにまだ、気がついてはいない。今思えば、闘病の夫の看病でキャロルの新所帯にそのときまだ、来ることが出来なかった伯母が来ていたなら・・・との推量は立ちます。シゲルちゃんはこの伯母を生涯評価していたからです。キャロルの母とは正反対!!と豪語。自分は早くに母親を亡くした、その代わりのように現われた唯一尊敬出来る人物と亡くなっても意見を変えなかったからです。母はシゲルちゃんとは徹底的に合わなかった。しかしそのときは、まだ、わかりません。犬猿の仲とはよく言ったものです。結婚を躊躇する人々の苦悩や怖いもの見たさのマギャクにある見たくない・・がよく理解出来ます。しかし乗りかかった船は出港をすでに終えている、引き返す訳にはいかないのです。