俺がキャロルたちと行動を共にしないのは金銭感覚が違うからで、それともうひとつ、ガソリン代を考える俺に反して、あやつは昨日もどこかへ出掛けて俺をひとりぼっちにする。田中投手が好投して、今日はヤンキースが勝つのだろう・・・という思いを胸にあいつは出掛けた。大好きな大リーグよりも優先することがあったのだろう。しかし俺は一緒に行動したい自分の気持ちを抑えてしまう。ガソリン代やクルマの劣化を考えると俺はクルマにそうヤスヤスと乗れないがキャロルは全然別の考えでいるようだ。こういう夫婦の中身を考えるときに俺も結婚の正体を見つめざるを得ない。俺も結婚によって縛られていることだ。そこで成果を上げることをどこかで目安としたし、俺だけでなくあいつも縛られただろう。人生というとちょっと大袈裟かもしれないが、縛りがあるから途轍もない希望も生まれたことを知る。デルスカイしておこう。俺はヒトメボレで結婚した、いわば高速結婚である。