俺の凱旋ことオレガイはニッポンでまだ、本当に自分の実力を出し得ていない不完全燃焼組の未来磐石に寄与するように思えてならず、それもこれもこのコーナーを設けてくれた妻の優しさ、深い慈愛に俺はのけぞりそうになる。俺のような田舎育ちの人間がバンカーとして四十年勤務出来たことさえ奇跡なのに・・・。俺は本来なら時計職人として時計店で丁稚として働くかそれとも大川に行って家具職人の見習いに行く?って中3のときに周囲から言われていた。母親を九歳でなくし家計は火の車だった。しかし親類がクルマの修理工場をしていてそこからなら高校行けるのでは?親類ツテがあって働きながら高校へ行く道は開けた。俺のようにニッポン語彙の深さや要領も知らない人間がキャロルに認められたのも直感や発見、第六感があったからだろう。俺は今日のマーリンズ戦は観ていない。頭を冷やしたかったし丁度血液検査を受ける日だったこともある。俺はあとから一球でフライに終わったイチロー選手をテレビで観る。それでもその球は食らいつきたくなるくらいにいい球だったのよ?ってキャロルが言ったのにはたまがった。つまりいつのまにかカンセンリョク〔観戦〕が身に付いたケースでデルスカイよろしく。