今年は初盆になる。キャロルの父が二月七日に亡くなり、俺は義父のためにお盆の準備で頭が一杯。キャロルの弟も働いているに違いない。そう信じるのは、俺だけでなくキャロル同じだろう。思えば、長かった・・・・。ふたりとも十六歳で、オチコボレの烙印を押されてしまい人生の不遇をもろに味わい、しかも教育一家だったことで、世間様からの叱咤を受けた。しかし、峠は超えたのだ。今度は激励を二人は受け容れることになるだろう・・・。人生を香り立つものに変えようとするなら、自身で鑑みなければ・・・。どうすれば社会的に受け容れられるのか?そして妥当だと大衆から評価をもらえるのか。こつこつと歩むことを最初から念頭に置いたキャロルの戦法は、軍略としても正しかったと言えるだろう。