サファイア・マン《かけがえのない男編》〔35〕かけがえのない才能を持つ男と呼ばれた男もいつか、面白い男に過ぎなかったか?と呼ばれるし、緻密な男の面も推移。すると男としてすべてを現在持ったニンゲンはいないという判定がつく。面白いやかけがえのないは変動するからです。面白い男とキャロルにカテゴリされた男たちは一様に喜んだし、緻密な男とカテゴリされた男も同位でした。キャロルが決めるなんらかの枠に収まりたいという男の願いこそ、コドモチックですが奥底の真相はジェラシーでした。あいつが緻密な男で、なんで俺が面白い男なのか?それを質疑してきた男性を見てキャロは笑いこけました。私が評価するのは面白い男なのよ?っていうと相手は嬉しそうになる。そうだったのか、速くいってよ~ってな感じで、そのヤマトオノコの七変化がまじで可愛かった。緻密な男はみんなの前で、頭がいいことをさらに誉められています。キャロルはトップの人には近付かずに、いつも課長補佐くらいに照準を当てていた。彼らがいつも出世を願い爆走しているのを知っていたからです。そのクラブは午後6時までにホステスが予約を入れたテーブルの売り上げが全部そのホステスの売り上げになっていました。キャロルが予約を入れたことは一度もありません。風来坊のようにやってきては、キャロルを相手にしゃべり始める顧客のみキャロルの売り上げで、二位になったときには、偶然が重なっていました。予約を巡って熾烈な争いが絶えなかったホステス達に嫌気が差したのか店の部長たちがキャロルの売り上げにしてしまうこともあったのです。