サファイア・マン《プロローグより》 人生の中で一体何人の男とすれ違い、実際、物を言うのだろうか・・・。キャロにとっての男とは・・・・・。自分の中で、総括すると、いや、総括してもまだ、男というものの実存性が見えてはこない。ひとつ、大きな懐疑があるからだろう。男とは一体何者なのか?本当に、キャロの父は男であったのか?そこにすら、疑念があって、それを解決しないまま、このサファイア・マンを始めることが、逆に、面白い試みかもしれぬ。金銭的に恵まれてきたなら、男に従うこともなかったキャロ。そこを思うと、ほろにがい。もしも、従うことが皆無なら、キャロの性格はもっと、地球規模だったに違いない。でも?才能が無尽蔵であったが故に、神さまが長い苦悩を設定したかも?っていう認定すら付く。今、これだけの苦しみをありがとうと、神さまにキャロは伝言するのだ。苦しみ、もがき、悩んだ末に、最悪の祖母としての地位を、最高の物書きとしての環境を、奇しくも同時に頂いたからである。