ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔53〕キャロが最初に自転車に乗れるようになったのは、みんなよりも相当遅くて、小学校五年くらいかな。毎日、矢上神社に友達が集合してくれて、男の子も女の子も後ろから、押してくれて、何回も何回も倒れてしまうキャロに、ほら、さっきより、長く走れた!大丈夫♪ってね?そのみんなの励ましの甲斐や、練習の甲斐あって、乗れるようになって、すいすい漕げるようになった感謝の気持ちってね、まだ、消えない。だから、キャロの中には、集団で、何かを構築する喜びってのは、もうあの自転車漕ぎ達成のときに、培われて久しいんだね?だからっていう訳ではないけど、みんなと、歩調合せていたい!ってのがどこかにあった。毛深いから、自分だけが、もうあそこに発毛していたって、思い込んでいたんだ。修学旅行の日程が決まり、湯田温泉に・・・。その一週間前に、キャロは悩んだ挙句、T字のカミソリとふつうの顔剃り購入。毛深い自分は、みんなに合わせないと、とんでもないことになる!!って。友達にも言えない。中二だからね。まだ、とっても純粋なんだ。考えて、考えた挙句、二本タイプを揃えて、剃毛を決行しなければ、自分ははみ出し者になってしまう?そういう戦きがあった・・・。