ルビー・ウーマン《復讐の館編》〔7〕キャロには、わかっていました。夫となる宿七さんと、父、現世でいうところの、同じ気質を背負っているという符合。いわゆる、ユートピア保持者です。自身の中で、理想を構築して久しい人々を動かすのは、命令形・・・。これしかないと英断していました。父は、運よく、応接間に通され、この色紙を拝顔さすことに成功します。42才で、九州銀行長崎支店、副支店長に駆け上がった男でした。いかなることがあっても、子供の責任はとります、僕が名前を付けてもいいのですね?病室に喜び勇んで帰って来た父を見て、キャロは、嬉しさ半分の自分と対峙することになります。市会議員に立候補して、最下位得票だったにもかかわらず、四年後の県会議員に、立候補するような、はちゃめちゃな性向。そういう父に、応接室で、びびらされた宿七さんの人物像も、同じく、はちゃめちゃなのでは?神は答えます。命名権のことは心外だった。ありさという名前の漢字構成を相談してきたばかりではないか?私に相談しなかった事案は、すでに私の術中には無いのだ・・・キャロは慌てて、十字を切り、懺悔します。確かに、我流に動いてしまったその事を悔いたのです。しかし神は、見捨てずこう言うのでした。今度、もしも赤ん坊を産むときには、必ず帝王切開を希望するのだ・・・と。